小児皮膚科
乳児湿疹
乳児期(1歳未満)にできる皮膚炎をいいます。乳児期を過ぎても症状が続くアトピー性皮膚炎との区別は難しいのですが、治療方法は特にアトピー性皮膚炎と変わりません。
治療の基本はステロイド外用剤による炎症の抑制と保湿剤によるスキンケアです。
また、食物アレルギーが関与することもありますので必要があればアレルギー検査も行います。
とびひ(伝染性膿痂疹)
掻き傷などに黄色ブドウ球菌などのバイ菌が付着して引き起こされる感染症の一つです。水ぶくれや黄褐色のカサブタをつけたびらんなどが症状として出てきます。
抗生物質ののみ薬や塗り薬を用いて治療を行いますが、抗生物質のみで治療を行ってもなかなか改善しないこともあります。
とびひは、かゆみがあって掻いたあとの掻き傷にバイ菌が付着して起こってくることが多いので、かゆみがある場合は、かゆみを止めてあげないといつまでも掻き続け、新しくできた傷にバイ菌が付着して更なるとびひをおこすということを繰り返すのです。
かゆみを伴っているとびひは抗生物質だけでなくかゆみを止めるお薬の併用も必要となります。
イボ(尋常性疣贅)
大人にもできますが子供の手足にも多いものです。くわしくは一般皮膚科のイボの解説をご覧ください。
みずイボ(伝染性軟属腫)
体幹、四肢、顔面などどこにでも生じうるもので、乳児から小学校低学年までの小児によくみられます。頂点の白っぽい丘疹が散発~多発します。
これも原因はウイルスですが通常のイボとは違う種類のウイルスが原因です。これは一つ一つをピンセットでつまみ取って治療していきます。そのまま摘み取ると痛みが強く、子供さんの負担が大きくなりますので、麻酔テープを皮疹部分に貼り付け、1~2時間経ったあとで処置を行うのがよいでしょう。
数が多い場合は一度ですべてを取りきることはできません。複数回の通院が必要になります。また一旦すべてを取りきってもまた新たに出てきてしまうこともあります。でなくなるまで根気よく通院する必要があります。
みずイボに関しては放置しても構わないという意見もあるようですがやはり感染症であり、他人に感染させる可能性を考えればやはりきっちり治療したほうがよいといえるでしょう。
おむつかぶれ
おむつをしていて、ムレる部分にかゆみ赤みなどの症状が出てくるものをいいます。汗や尿、便などによる刺激性接触皮膚炎をおこしているのです。
これらは早めのおむつ交換、保清、塗り薬で対処します。塗り薬はステロイド剤が中心となります。また、カンジダなどの真菌感染が合併している場合が多いですから、必要と判断されれば真菌感染がないかどうかの検査を行います。真菌感染が合併していた場合は、抗真菌外用剤も併用して治療します。